紙ができるまで 原料・パルプ
パルプとは
パルプとは、木材や草などから抽出した繊維のことで、主成分はセルロースです。このセルロースは水素結合により結びつく性質があり、紙はこの特性を利用してつくります。
※ 水素結合は水が入るとすぐ切れるため、防水加工していない紙は水に濡れると弱くなります。
パルプを原材料別に分けると
パルプの原料は、木材・非木材・古紙・合成繊維などがあります。
木材パルプ
針葉樹・広葉樹をパルプ化したもの。
非木材パルプ
植物などをパルプ化したもの。リンター(綿の実に付着する短毛)・ケナフ(アオイ科の一年草)・バガス(サトウキビ)・バンブー(竹)パルプなど。
古紙パルプ
すでに用紙になった紙からインキなどを脱墨し、再パルプ化したもの。
合成繊維パルプ
化学合成繊維(レーヨン・ビニロンなど)をパルプ化したもの。
パルプを製造別に分けると
パルプは製造方法から機械パルプ、化学パルプに大別します。
(これとは別に古紙パルプもあります)
機械パルプ
機械的にすりつぶしてパルプを製造する方法。繊維は剛直で内部に大量のリグニンを含むので、紫外線によって褪色しやすい紙ができる。木材からのパルプ収率は90~95%と高い。
化学パルプ
化学的に繊維を抽出する方法。高純度のセルロース繊維は、しなやかに絡み合うため、紙にすると強度が上がる。セルロース純度を高くするために、木材からのパルプ収率は50%程度となる。
リグニンとは
樹木を構成する繊維同士の接着剤の役割をしている物質。
繊維間の細胞間膜のことで紙の中に含まれていると、変色や劣化の原因になります。
未晒(みざらし)と晒(さらし)
パルプは未晒(未漂白)と晒(漂白)に大別することもできます。
未晒パルプ
クラフトパルプほか。茶褐色で強度があり、穀物袋やセメント袋などにも使われる。
晒パルプ
機械パルプにおける漂白
リグニンを白くすることを目的に、過酸化水素やオゾンなどで一段処理を行う。
化学パルプにおける漂白
漂白やリグニン除去などを目的に、数段階の処理を行う。