貴重な資料を未来へ
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6さまざまな保存対策があるが、保存容器への収納は、すぐにでも採用できる手段である。書庫などの大環境の制御がむずかしい場合でも、人工的に小環境を作り外部劣化要因から資料をまもることができる。小環境の改善は、他の対策と比べ安価でもある。① 移動の際に、資料に直接触れなくて済む。② 急激な温湿度の変化を和らげる。③ 光や水分、ホコリ、汚染ガスなどからまもる。④ カビや虫、小動物からまもる。⑤ 衝撃からまもる。⑥ 資料を散逸からまもる。①版画をフォルダーにはさめば、手を触れずに作品を取り扱える。②外気が大きく変化しても、保存箱の中は直接の影響を受けにくい。③2冊の雑誌「国華」(1899年)。左が保存箱に入っていたもの。右が入っていなかったもの。左の雑誌は状態が良好だが、右の雑誌は変色や虫損などがみられる。同じ巻号でも大きな差が出ている。⑤1995年に発生した阪神淡路大地震では、保存箱に収納された自治体の文書が助かったという例が報告されている。6つの効果保存容器

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