貴重な資料を未来へ
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5●化学パルプを使用。 ●硫酸アルミニウムを使わない。●PAT試験に合格している。マットの例)。右:カビが発生している(一般のボード紙)。紙表面の拡大写真純度の高いパルプに炭酸カルシウムで、アルカリバッファしている。陰イオン分析   保護紙は陰イオンを含まない(ピュアマットの例)。ブラックライト照射試験保護紙は蛍光物質を含まない。他社(右)の紙は蛍光反応が出ている。防カビ対策済み左:カビを寄せ付けない(ピュア耐光性試験 左:ピュアマット中・右:他社製品化学パルプ主原料は晒クラフトパルプ(BKP)で、砕木パルプ(GP)や未晒パルプ(UP)、古紙などは使用していない。ピュアマットにはコットンパルプを50%使用。パルプの主要原産国は、北米(カナダ・米国)、日本など。リグニン含有率を示すカッパー価は5以下である。(ISO9706)硫酸アルミニウムにじみ留め剤の定着に硫酸アルムニウムを使わず、中性サイズ剤を使っている。用途に応じて炭酸カルシウムを添加し、弱アルカリにしている。PAT試験Photographic Activity Testの略。写真活性度試験と訳す。写真資料は最も脆弱な資料の一つ。写真プリントやフィルムの包装材料はPAT試験をパスしていなければならない。(ISO 18916)写真資料に対して安全であれば、他の資料にも問題ないといわれている。包材の資料への長期的な影響を調べる試験はほかに確立されたものがないため、写真以外の資料の採用条件になっている。陰イオン分析水溶液中の各種イオン成分を分析する装置「イオンクロマトグラフ」を使って調べた。ブラックライト照射試験蛍光物質は、太陽光では見えないが、ブラックライト(紫外線)を当てると青白く光って見える。蛍光物質は、紙の白さを出すために良く使われているが、光による退色が著しいため、長期保存用には向かない。防カビ対策写真は、紙に繁殖しやすい4種混合菌を貼付法による2週間培養試験の結果。ピュアマット、AFハードボードは防カビ処理済みである。4種混合菌とは:Aspergillus niger,Penicillum citrinum,Cladosporium cladosporiodes,Altanaria sp.耐光性試験写真は、アークカーボンを光源に使い3日間連続照射した試験結果。3つの特徴保護紙(Conservation Papers)

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