貴重な資料を未来へ
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20  封筒   マイクロフィルムの中性紙箱  封筒 ネガフォルダープリントファイルとバインダー■資料の種類によって保存方法を選ぶさまざまな資料の保存は?⑤ 写真資料の整理と保存 • ネガフィルムは中性紙封筒に収納するか、フィルム製の専用フォルダーを利用する。 • 写真プリントはノンバッファーの封筒かファイルを利用する。 • ガラス写真は、ノンバッファーのフォルダーと専用の保存箱を利用して縦にして保存する。衝撃や振動に弱いので、丈夫な中性紙箱を用意する。参考文献: 東洋文化研究所マイクロフィルム状態調査 https://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~library/kouenkai/report/3_tasaki.pdfネガフィルムの注意点湿度環境が整っていない場合は、フィルム製のフォルダーは結露の危険性があるので使わない。TAC(トリアセテート)ベースのネガも、酢酸がこもってしまうので、紙製の封筒に入れる。TACベースのマイクロフィルムは長年使われてきたが、保存環境によって、酢酸の発生と自己崩壊現象にみまわれる(ビネガーシンドロームという)。劣化が急速に進行する「臨界点」は30年*とも言われている。金属缶などの密閉容器に入っている場合は、すみやかに中性紙製の箱に入れ替えなければならない。大量のネガの整理35mmネガが大量にある場合は、二つ折りの中性紙フォルダーを作り、保存箱に収納すると良い。フォルダーに資料データを書き入れて管理する。写真整理のポイントデジタル化などによる活用を計画している場合は、スキャンなどの作業と同時に、安全な容器に収納していくのが良い。原物資料へアクセスの可能性がある場合は、資料の形態やサイズごとに分けて収納すると、あとで探しにくくなる。コレクションをカテゴリーや年次ごとに分類して保存するのがベターである。実際的な写真保存の例PAT(写真活性度試験)合格製品、中性紙や不活性なプラスチック製品など、安全な保存容器に収納する。写真資料からガスが発生する場合があるので、気密性の高い容器には入れない。喫煙所、複写機、新しい家具のそばは避ける。できるだけ高温を避け、少なくとも相対湿度60%以下で温湿度変化の少ない冷暗所に保存する。湿気から写真資料をまもるため、床上40cm以上のところに保存する。どのような保存対策があるか-8資料保存の実践

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