貴重な資料を未来へ
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18■資料の種類によって保存方法を選ぶさまざまな資料の保存は?① フィルムエンキャプシュレーション通常は、2枚の透明ポリエステル(PET)フィルムに資料を挟む。周辺部は中性の両面テープでシールし両面から中の資料を見ることができる。新聞のような両面印刷された資料にふさわしい技術である。エンキャプシュレーションにすることで、脆弱な資料も取扱いが楽になる。フィルムをはがせば、元の状態に戻すことが可能。② フィルムフォルダー地図のような折りたたまれた資料の保存は、L字型の透明フォルダーが利用できる。パンチで穴を開ければバインダーに綴じることができる。フィルムエンキャプシュレーションの注意点資料が密封状態になるので、酸性劣化した資料は事前に脱酸の必要がある。酸性紙を閉じ込めると、劣化が促進されるおそれがある。片面にだけ情報がある資料には、裏面にアルカリバッファーされた中性紙を挟むことで劣化を抑制できる。フィルムフォルダーの注意点エンキャプシュレーションやフォルダーに使うフィルム素材は、資料に悪影響を与えないものを採用する。ポリエステル(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)の三種類が推奨されている。帯電防止などの表面処理されていない純粋で透明度の高い製品を選ぶことが重要。湿度の高い環境では結露の危険性があるので、保存環境に注意を払うこと。デッサンやパステル画などの作品は、静電気で表面の描画材の脱落危険性があるので、フィルムを使ってはいけない。ポリエステル透明シートラベル両面テープ新聞紙どのような保存対策があるか-6資料保存の実践

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