貴重な資料を未来へ
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13■予防的保存とは「どのように」保存するのか?資料が傷んでから治すのではなく、傷みが進行しないように予防処置を施すこと。保存環境の整備資料の取り扱い保護保存用品の活用保存展示脱酸処理製本参考文献: 『IFLA図書館資料の予防的保存対策の原則』エドワード・P.アドコック編集 国立国会図書館訳(2003.7)・防災、セキュリティ整備・温湿度の管理・大気汚染の遮断・カビの防止・虫害などの防止・資料整理の際の書き込み・利用者への注意喚起・コピー時の配慮・資料の種類、形態に応じて保護紙、用品を選ぶ・劣化の状態に応じて、分けて収納する・安全な展示ケースや備品・温湿度・光・紫外線・大気汚染物質の制御・作品のセキュリティ・劣化の予測される資料に適用する・薄い資料の補強や合本・コピー制限予防的保存Preventive conservation環境保全計画ともいう。東京国立博物館では、作品が傷んだら、その都度修理・修復をしていたが、今世紀に入って予防的保存に取り組みはじめた。その結果、修復費用が大幅に軽減された。脱酸処理Deacidification劣化がかなり進んでしまった資料を元に戻すことはできない。将来、劣化が予測される資料に適用する技術。修復の位置づけ予防的保存を実行した上で適用する技術 が修復処置である。寿命を永く持たせたい資料で、利用や展示に差支えがある、劣化が進行中である、他の資料にも影響を与える、などの症状を抱えたコレクションに適用する。どのような保存対策があるか-1資料保存の実践

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