貴重な資料を未来へ
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8大量脱酸プラントの例:左はブックキーパー法、右はDAE法。空調や空気清浄機の設置、IPMの導入など。マイクロフィルム撮影・デジタル化、コピーなど。間紙・封筒・フォルダー・保存箱などによる小環境の改善。少量脱酸と大量脱酸。水洗・ドライクリーニング・カビ・虫害処理・修補・紙力強化・裏打ち・リーフキャスティングなど。大量脱酸=水性・非水性薬品による紙資料の中和とアルカリの残留。数十冊以上の本や文書類をまとめて処理できる。環境改善IPM=Integrated Pest Management(総合的有害生物管理)は、虫やカビなどの調査をし、適切な予防対策をすること。従来の燻蒸だけに頼らない有害生物対策。このほかにも温湿度や紫外線、汚染ガスのチェックによる環境改善なども含まれる。媒体変換マイクロフィルムは、適切な保存環境に収納すれば、数百年の寿命があるといわれている。デジタルデータは、ソフトウェアやハードウェアなどの進展にともなって、データの移し替えなどを頻繁に行わなければならず、原物保存の10~20倍の維持コストがかかるといわれている。媒体変換を行うことで、原物資料にアクセスしないで済むので、結果的に資料の寿命が延びる。脱酸                少量脱酸=水性・非水性薬品により一枚ずつの紙資料を中和ないしアルカリを残留させること。修復ドライクリーニング=水や薬品を使わず、紙の表面をクリーニングする方法。刷毛や専用の粉消しゴムなどを使う。リーフキャスティング=虫食いなどによる紙の欠損部に紙漉きの原理を応用して、繊維を埋め込む技法。環境改善媒体変換保存容器脱 酸修 復さまざまな保存対策紙資料の保存対策は?

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