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   和装本の保存方法における新案―平置き、縦置きに対応する保存箱の活用―

 

200961314日に開催された第31回文化財保存修復学会(岡山県倉敷市)のポスターセッション(P083)で和装本用の保存箱の提案がありました。

 

一般的に和装本は平置きが原則です。本の構造そのものが柔らかくできているため、縦置きはなじみません。東京国立博物館が所蔵する約65千冊の和装本を、従来の帙(ちつ)から簡易で機能性の高い保存箱へ切り替えるプロジェクトが07年度からスタートしています。新案の保存箱は新型保存箱と新型簡易保存箱の2種類です。特に貴重で入れ物のない本から優先的に、3年間で255個の保存箱を作成しました。

新型保存箱は、中性の布クロスで芯材をくるんだ上製箱です。簡易保存箱は、中性ダンボールを使った保存箱です。

    

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棚に整然と整理するために所蔵本をサンプリング調査し、保存箱の大きさを大中小の3種類に決めました。寸法を3種に集約したため、本のサイズとのギャップができましたが、土手のようなスペーサーを取り付けることにより、本を安定させることができました。箱の重量も従来の帙と比べ新型が2分の1、簡易保存箱が4分の1になったといいます。重量が軽くなった分、本への負担が少なくなるという効果もあります。

 

箱の上蓋の内側に、付箋などの付属物を入れるポケットを取り付けたり、物品No.を記入したりすることもできます。場合によっては中身の写真を貼り内容物がわかるようにすることもできます。

 

「新型保存箱の考え方は、和装本に限らず、さまざまな博物館資料にも応用できそうです。  簡易保存箱は、手加工ではなく、マットカッター(CAD*)を使って量産することも検討しています。材料やデザインもさらに改良し、よりよい容器にしていきたいと思っています。現在では、3名のプロジェクトメンバーのうち2名が週に3日、箱作りをしており、新型保存箱で一日2.5個、簡易箱で一日4個のペースで製作しています。」(米倉乙世さんの話)

 

(研究メンバー)

米倉乙世 鈴木晴彦 本多 聡(東京国立博物館 保存修復支援技術者)

神庭信幸 土屋裕子(東京国立博物館)

山田祐子 (保存修理技術者)中安知佳(東京芸術大学)

 

CAD computer-aided designの略) コンピュータを利用して機械、各種建築物、電子回路など、設計を行うシステムの総称。機械が自動的に図面を書いてくれるので、従来の手書きから可読性や設計システムも飛躍的に向上した。ペン先をカッターの刃に取り換えれば、紙の切り抜きができるようになる。(文責 神谷)

 

文化財保存修復学会第31回大会(山陽新聞WEB NEWS 6/12より) :

http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2009/06/12/2009061222203341000-s.html

 

東京国立博物館 :

http://www.tnm.go.jp/jp/

 

 

 

 

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