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一般社団法人電子情報通信学会が発行する「電子情報通信学会誌」の平成2712月号が電子データの長期保存を目的とした「超長期保存メモリ・システム」を特集しています。

 

電子データの、50年またはそれ以上の数百年~1000年といった長期保存技術はまだ確立されていません。現在、電子データの長期保存の唯一の方法は、マイグレーションです。コンピュータなどのハードウェアやソフトウェアの世代交代に合わせて電子データを新しいシステムに移し替えていく方法ですが、長い年月ではデータ量の増大に伴う維持コスト負担の問題が懸念されています。

 

マイグレーション以外の方法は、各国でさまざまな研究がされていま。(下記)

「電子情報通信学会誌」が特集しているのは日本国内で開発中の「超長期保存メモリ・システム」です。近年大容量化による普及が著しい「フラッシュメモリ」、長い年月では劣化しやすい電極を廃した「半導体ロゼッタストーン」、「石英ガラスを用いたメモリ」などを取り上げています。

 

特集の主な内容は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「小特集 超長期保存メモリ・システムへの挑戦」

小特集編集にあたって 編集チームリーダー 渡辺正裕

1.ディジタルデータの長期保存における課題と戦略  石原 直

2.長期保存メモリ・システムのニーズとインパクト

 2-1 国立国会図書館における電子情報の長期保存 本田伸彰

 2-2 超長期保存メモリ・システムの社会的インパクトを見積もる 江連三香

3.超長期保存メモリ実現へ向けた基礎的課題と研究開発の現状

 3-1長期保存へ向けた半導体メモリの課題と展望 竹内 健

3-2 半導体ディジタルロゼッタストーン 黒田忠広

3-3光技術から超長期保存メモリへのアプローチ

   渡部隆夫、今井 亮、塩澤 学、森 重喜、下間靖彦、

   坂倉政明、三浦清貴、渡辺康一

4.意味理解を保障するメモリ・システムの構築へ向けて 小林敏夫

 

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「電子情報通信学会誌」平成2712月号 Vol.98 No.12

 

発行: 一般社団法人 電子情報通信学会

発行日: 平成2712月1日

判型: A4判、107

価格: 2,505円(税別)

https://www.ieice.org/jpn/books/kaishi.html

 

 

 

(参考)

国内外で研究されている「電子データの長期保存」の例

"Digital vellum"

グーグル副社長のヴィント・サーフ氏らが提唱しているバーチャルマシーンによる長期保存。ハードウェアのエミュレーションやOSの搭載をする。コンテンツとアプリケーション、OSX線スナップショットを一緒に保存。(2015年~)

https://www.cmu.edu/silicon-valley/news-events/dls/2015/cerf-news.html

"The Rosetta Project" 1万年の保存を目指している。

The Long Now Foundation'sという団体が提唱。直径3インチのニッケルディスクにデータをエッチングする技術。1枚のディスクに14,000ページの情報を記録できる。200倍の顕微鏡があれば中身を読み取れるため、電源や特別な装置が不要でもある。5090%の言語は次の世紀に失われるだろう、との予測のもとに言語的情報も保存することを目標としている。(2002年~)

http://rosettaproject.org/

・「100万年後も読み取れるハードディスク」

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が研究主体。放射性廃棄物の埋め立て場所を記録するために開発したもの。工業用サファイアのディスクにプラチナで情報を刻み込む技術。倍率の高い顕微鏡があれば読み取れる。(2012年~)

http://www.sciencemag.org/news/2012/07/million-year-hard-disk

http://www.andra.fr/

・「フラッシュメモリ」

Johns Hopkins Universityが研究主体。相変化メモリにダイヤモンドを使用することで大容量のデータを記録することができるもの。(2012年~)

http://www.computerworld.com/article/2503753/emerging-technology/researchers-use-diamonds-to-boost-computer-memory.html

https://www.jhu.edu/

・「DNA保存」 1000年以上の保存を目指している。

ETH Zurich's Department of Chemistryが研究主体。DNAをシリカで包んでデータを保護する技術。(2015年~)

https://www.ethz.ch/en/news-and-events/eth-news/news/2015/02/data-storage-for-eternity.html

・「DNA保存」 1000年以上の保存を目指している。

EMBL-European Bioinformatics Institute (EMBL-EBI) が研究主体。DNAを断片化しデータを貯蔵する技術。(2013年~)

http://www.ebi.ac.uk/about/news/press-releases/DNA-storage

・「DNA保存」 1000年以上の保存を目指している。

Harvard's Wyss Institute が研究主体。DNA分子にデータをコード化して保存する技術。(2012年~)

http://www.extremetech.com/extreme/134672-harvard-cracks-dna-storage-crams-700-terabytes-of-data-into-a-single-gram

・「石英ガラス」 138億年保存が可能。

英サウサンプトン大学が研究主体。超高速レーザを使用して石英ガラスにデータを刻む技術。(2013年~)

https://wirelesswire.jp/2016/02/50361/

・「石英ガラス」 数億年の保存が可能。

日立製作所が開発中。石英ガラスにフェムト秒パルスレーザーで記録を行うもの。(2012年~)

http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2012/09/0924.html

・「超長期保管メモリ」 1000年以上の保存を目指している。

神奈川大学 理学部の小林敏夫教授らが提唱。201510月からはJST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)のCRESTに採択され、中央大学の竹内健教授が研究代表者となった。(2006年~)

http://sigarc.ipsj.or.jp/Presentation/arc185_icd-kobayashi.pdf

https://www.colabory.com/grants/gsd008_01/index?no=179324

 

文責 神谷)

 

 

 

 

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