資料保存の現場から: 2010年1月アーカイブ

 

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埼玉県立文書館

115日の当ブログ既報の通り、埼玉県立文書館では3年前から月に34回、10名前後のボランティアの人たちが古文書をなおしています。指導しているのは元宮内庁書陵部修補技師長の横山謙次さんです。今回、その現場を見学する機会を得ましたのでご紹介します。

                              ボランティアメンバーと横山さん(右端)

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文書館の古文書修補は、長い間専門の修復業者が請け負っていましたが、彩色された資料やふやけた紙、虫が挟まってくっついてしまった文書など難易度の高いものを除き、ボランティアの人たちに処置をゆだねることにしました。たとえば、正麩糊の炊き方から裏打ち、虫損直し、製本など幅広い処置です。ボランティアのおかげで、すでに80冊以上の古文書が利用できるようになりました。

 

 

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修補に使う手漉き和紙は主に埼玉県小川町の細川紙、

楮紙や渋紙(柿渋をしみこませ耐水性がある)など

 

文書館では、文書資料保存活動の一環として、古文書講座の参加者の中から希望者を募り、3日間にわたる横山さんの基礎研修を行いました。現在では、横山さんは月に12回指導にあたっています。

 

 

                              メンバー作成の修補マニュアル

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「学校の授業とは違い原物資料そのものが教材です。「取り返しのつく修補」を原則にし、途中から参加する人もいるため、カリキュラムに沿った指導ではなく、資料の状態に合わせた修理方法や本人の技量に合った技術を教えています。修補の基本方針は、「使えるようにするために解体すること」です。こより(紙縒り)一本でも結び方などの原形を尊重しながらなおしています。本紙より厚くしない、堅くしない、色を濃くしないことなども守っています。」(横山さん)

 

 

 

                                

 

横山さんは、千葉県白井市や印西市の文化財審議委員、鎌ヶ谷市市史編さん審議委員の肩書を持ち、県立文書館以外に戸田市立博物館でも修補を指導。徳島県立文書館では年一回のボランティア指導をされています。

 

 

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横では横山さんのお話をメンバーが丹念にメモをとっている 

 

 

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修補が済んだ資料は中性紙保存箱へ収納

「これらの古文書は、国レベルで考えたらたいしたことはないかもしれませんが、地域にとってはかけがえのない史料群です。自治体の古文書修復は、学芸員や正規職員に教えても、人事異動があり継続的な仕事になりにくい。地域ボランティアの力を借りるのが良いのではないでしょうか。自治体の予算は、もっと難しい修理に回すべきです。

市民が資料保存活動に参加することは、地域の歴史資料を残す上でも意義のあることです。皆さん、資料に愛着もあり、後世に残る仕事として生き生きと取り組んでくれています。」(横山さん)

(文責 神谷)

 

 

 

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埼玉県立文書館では、収蔵文書の簡易補修と点検作業を県民(ボランティア)の手で行い、今年で3年目です。活動は年に36回を予定しており、今月の1/15(金)と1/22(金)には元宮内庁書陵部修補技師長の横山謙次氏が指導にあたることになっています。「参加者は毎回10人前後です。文書の虫損直しや裏打ち、製本など簡易補修を市民の手で行うことは、埼玉県戸田市や徳島県など全国に広がりつつあります。」(古文書担当 渡 政和さん) (文責 神谷)

 

詳細は「埼玉県県政ニュース」で :

http://www.kyouiku.spec.ed.jp/contents/news_sorce/n10011302.html

 

 

 

 

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