■ 岩田書院ブックレット13 『アジアのアーカイブズと日本 - 記録を守り 記憶を伝える - 』 安藤正人著
本書は、 2002 年から 2008 年までの間に安藤氏 (現 学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻教授 ) が行った講演や発表小文から 7 本を選んで収録したものです。
著者は 1986 年にロンドン大学に留学、アーカイブズ・コースでインドネシアから来た社会人留学生から、日本占領時代の資料が母国に残っていないことを告げられたことをきっかけに、アジアの視点でアーカイブズを考えるようになったといいます。
アーカイブズの職員だけでなく、これからアーカイブズを目指す人たちにも向けて書かれています。( 文責 神谷 )
主な内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第 1 部 アジアのアーカイブズと日本
第 1 章 アーカイブズから考えるアジアの中の日本
第 2 章 戦争とアーカイブズ ―満州国からイラクまで―
第 3 章 アジアにおけるアーカイブズとアーカイブズ学研究
第 2 部 地域に足を 世界に目を
第 4 章 地域資料活用拡大のための課題について ―" 草の根文書館 " 論再論―
第 5 章 阿波根昌鴻さんのメッセージを未来に伝えるために ―阿波根昌鴻資料第 1 回調査を終えて―
第 3 部 アジアのアーカイブズ学教育
第 6 章 アジアのアーカイブズ学研究とアーキビスト教育 ―「アジア太平洋地域アーカイブズ学教育国際会議」に参加して―
第 7 章 " 記録を守り 記憶を伝える " ― 学習院大学大学院人文科学研究科「アーカイブズ学専攻」の新設―
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『 アジアのアーカイブズと日本-記録を守り 記憶を伝える- 』
安藤正人著
ISBN 978-4-87294-587-4
2009 年 10 月発行 初版1,100部
A5 判、 115p
岩田書院
http://www.iwata-shoin.co.jp/
定価 1,500 円( 税別 )
■ 『紙と本の保存科学』 園田直子編
本書は、紙や本という「 モノ」 の保存 に焦点をあてています。
内容は、洋紙や和紙の基礎知識、紙の劣化度の判定にはじまり、脱酸や強化などの修復処置、カビや虫害への対処方法、紙の保存環境や収納法などです。
2004年から 2008年にかけて実施された、国立民族学博物館の共同研究「国立民族学博物館所蔵資料の総合的保存管理: システム構築にむけての基礎的研究」 ※ に参加した研究者が専門家の立場で執筆したものです。紙資料の修復だけでなく、予防対策についても紹介しています。
図書館や文書館の職員や司書などを目指す学生向けの本ですが、最新の研究成果もあり一部専門用語に解説があるとさらにわかりやすいという印象でした。執筆者が10名と多く、企画から出版まで 数年掛かった労作で、紙資料の修復・保存の現在を概観することができます。( 文責 神谷 )
※ http://www.minpaku.ac.jp/research/jr/04jr054.html
主な内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅰ 紙の基礎知識
紙とは・・・大江礼三郎
修復材料としての和紙・・・増田勝彦
Ⅱ 紙の劣化度判定
司書による紙の劣化度評価・・・村本聡子
ダブルフォールドテスト・・・村本聡子
紙の物理的性質の測定・・・岡山隆之
紙の化学的試験法・・・関 正純
ローリングテスト ―紙の劣化度判定の新しい可能性・・・園田直子
アコースティック・エミッション法による紙の劣化度判定・・・岡山隆之
熱分解ガスクロマトグラフィーによる紙の劣化度判定・・・大谷 肇
Ⅲ 紙資料の保存処理
少量の紙資材を対象とした保存処理・・・金山正子
紙資料を対象とした大量脱酸性化・強化処理・・・園田直子・岡山隆之・関 正純
カビの発生した紙資料への対処・・・日高 真吾
Ⅳ 紙資料の管理
紙資料保存のための環境整備・・・園田直子
紙資料の保管・収納法・・・青木 睦
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウェブ上では 「ほぼ日刊資料保存」 (11 月 16 日 ) に書評が載っています。
http://www.hozon.co.jp/hobo/hobo_top.html
『紙と本の保存科学 』
園田直子編
ISBN 978-4- 87294-574-4
2009 年 10 月 15 日発行 初版 1,000 部
A5判、216p
岩田書院
http://www.iwata-shoin.co.jp/
定価 2,800 円( 税別 )
■ 『歴史資料の保存と地方史研究』 地方史研究協議会(会長:竹内 誠)編
本書は、地方史研究協議会が主催したシンポジウム「博物館法改正と学芸員制度」(2007年)をきっかけに企画されました。
この10年あまりの間に地方史研究の環境は大きく変わりました。文化施設への指定管理者制度の導入や自治体の予算削減による歴史資料保存機関の縮小や閉鎖の危機、大規模地震や災害による資料保存活動への注目など、研究環境はさまざまな問題にさらされています。今年6月の博物館法改正や公文書管理法の制定などのテーマも課題です。
これらの問題を乗り越えていくための新たな視点や論点に基づく活動を見出すために書かれたといいます。
分野も多岐にわたっています。民具の収集・保管にはじまり民間資料や考古資料の保存、指定管理者制度の問題、市町村の合併や災害と資料保存等々、広く全国の事例が紹介されています。(文責 神谷)
「本書に所収されている15本の論考を通じて、読者諸氏が、自身を取り巻く地域社会における資料保存・活用の問題について、改めて考える一助となれば幸いである。」(「刊行に寄せて」から抜粋)
主な内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
刊行によせて・・・竹内 誠
第1章 なぜ資料保存なのか
民具の収集・保管と博物館 ・・・加藤隆志
民間所在資料の保存をめぐって ―地方文書の整理と保存― ・・・桜井昭男
考古資料の保存について ・・・池田悦夫
資料保存機関には地方研究が必要である ・・・白井哲哉
第2章 資料保存の現在
指定管理者制度と公立博物館の民間管理 ・・・浜田弘明
平成の市町村合併と資料保存 ―熊本県天草市の事例― ・・・平田豊弘
災害と資料保全 ・・・松下正和
過疎化地域の資料保存問題と地域史研究 ・・・橋詰 茂
地域の過疎化と資料保存 ―大分県の事例― ・・・平井義人
電子文書の保存と地方史研究 ・・・太田富康
第3章 資料保存の未来
「専門職」とはなにか ...福島幸宏
「公文書管理法」をめぐる動向と資料保存 ・・・小松寿治
博物館法改正と地域博物館・資料保存 ・・・渡辺嘉之
資格認定制度や法改正などをふまえてみる今後の動向―文書館をめぐって― ・・・鎮目良文
新潟県中越大地震と資料保存 ―長岡市の場合― ・・・田中洋史
あとがき・・・企画・総務小委員会
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
地方史研究協議会 : http://wwwsoc.nii.ac.jp/chihoshi/
1950年に、全国の地方史研究者や研究団体の連絡機関として発足した会員数1,600名余の学会。
『歴史資料の保存と地方史研究』
地方史研究協議会(会長:竹内 誠)編
ISBN 978-4-87294-586-7
2009年10月発行 初版 1,200部
A5判、194p
岩田書院
http://www.iwata-shoin.co.jp/
定価 2,800円(税別)