文献: 2016年5月アーカイブ

201607.jpg

 

雑誌「日経サイエンス」(20167月号)が「20世紀文化遺産の危機」と題して、素材にプラスチックを使用しているアポロ計画の宇宙服やアンディー・ウォーホルの絵画などが劣化の危機に瀕していることを伝えています。執筆者は、Chemical & Engineering News誌のベルリン特派員のSarah Evertsさんです。

 

塩化ビニールやポリウレタン、ニトロセルロース、アセチルセルロース(酢酸セルロースとも)など、20世紀に開発されたプラスチック素材は、比較的短い年月で劣化、分解していきます。近現代につくられたアート作品や文化遺産にはプラスチック素材を使っている例も多いと思われます。これらの化学的メカニズムを研究、劣化の兆しを早期に発見する技法や崩れていく作品などを修理する方法が開発されているそうです。

 

Sarah Evertsさんは、米・国立航空宇宙博物館やデンマーク国立博物館、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ文化遺産持続可能性研究所、米・グッゲンハイム美術館など、開発の現場からレポートしています。今回の取材では、プラスチック素材から発生する臭気によって劣化の度合いを測定したり、マイクロファイバーや超音波、マイクロエマルジョンなどにより洗浄したりする技術を紹介しています。

 

「日経サイエンス」20167月号

発行: 日経サイエンス社

http://www.nikkei-science.com/page/magazine/201607.html

判型: A4変型判、132ページ

価格: 1,333円(税別)

原文紹介ページ(英語):

http://www.nature.com/scientificamerican/journal/v314/n4/full/scientificamerican0416-72.html

 

(参考)アポロ11号の故アームストロング船長が着ていた宇宙服は劣化が進んでおり、20158月に72万ドル(約8,600万円)の寄付金を集め、修復に着手。スーツ素材の保護、アルミの腐食除去、ムーンダストの保存、表面コーティングの検討、マネキンによる形の維持、各素材から出るガスの除去などの課題が判明しています。(英文)

http://www.popularmechanics.com/space/moon-mars/a17583/neil-armstrong-spacesuit/

 

(その他)

「日経サイエンス」20167月号には、緊急特集 熊本地震のページで「古文書が語る肥後地震」と題した記事も載っています。平安時代前期に発生した肥後地震が、本年4月に発生した熊本地震と発生パターンが類似していることを古文書によって解き明かしており、各地の古文書の地震記録を結び付ければ、今後の地震活動の推移を考える手立ての一つになるとも述べています。

 

(文責 秋田)

 

 

 

 

| | コメント(0) | トラックバック(0)

lending2016.jpg

 

国立西洋美術館が「紙本作品貸出のためのガイドライン:2015年デジタル版」(A4,28ページ、pdf0.99MB)を公開しました。この冊子は、Print Council of America(アメリカ版画評議会)が出版した"Guidelines for Lending Works of Art on Paper"を翻訳したものです。初版は1998年で、日本語訳が国立西洋美術館から印刷物として出版されました。初版から17年経過した2015年版は、LED照明や額装用のアクリルガラスの開発など、新たに登場した製品などの情報も盛り込まれています。

 

冊子は、美術館などが作品の貸借をする際の注意事項をまとめていますが、美術品の取り扱いや展示・保存にかかわる内容にも言及しています。

 

160527.jpg

(参考)1998年版 書影

 

「紙本作品貸出のためのガイドライン:2015年デジタル版」:

https://nmwa.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=329&item_no=1&page_id=13&block_id=21

 

同英語版:

http://www.printcouncil.org/study/publications/

(文責 秋田)

 

 

 

| | コメント(0) | トラックバック(0)

20160525.jpg

 

本書は、東日本大震災後に立ち上がった陸前高田被災資料デジタル化プロジェクト(RD3プロジェクト)により書かれたものです。RD3プロジェクトの発起人は、博物館のデータベース・システムなどを開発している早稲田システム開発㈱代表の内田剛史氏です。内田氏は、東京都写真美術館学芸員の三井圭司氏らとプロジェクト「陸前高田被災資料デジタル化プロジェクト」を結成し、東日本大震災の海水などで被災した写真類のデジタル化に取り組みました。

本書は、ボランティア組織の立ち上げから被災写真の救済、デジタル化、活動報告会などについて具体的に解説しています。本の後半は被災写真救済の英文マニュアルとなっています。

 

RD3プロジェクトは今後、「被災文化資源写真保全プロジェクト(P3Dプロジェクト)」と名称を変更して活動していきたいと表明しています。

 

陸前高田被災資料デジタル化プロジェクト

http://tsunami-311.org/

 

主な内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

発刊によせて

謝辞

支援団体・個人

第1章 プロジェクトについて

 1 ─ 活動の目標

 2 ─ 活動の特徴

 3 ─ 実際の活動

 4 ─ 運営組織

第2章 被災写真救済一次対応マニュアル

 1 ─ 準備事項

 2 ─ 共通手順

 3 ─ プリント写真

 4 ─ コンタクトプリント/ネガシート

 5 ─ リバーサルフィルム(スライド)

 6 ─ ガラス乾板

第3章 災害への備え

 1 ─ 当プロジェクトの経験から

 2 ─ 共通事項

 3 ─ 媒体別の対処

第4章 その他の活動

 1 ─ 講演会

 2 ─ 展示とイベント

 3 ─ 各種発表

 4 ─ 主要関連記事・報道

 5 ─ 財源

 6 ─ 活動参加者の声 ―ボランティア・インタビュー―

 

Chapter 1 Surviving tsunami: a project in Japan to salvage and digitalize extremely damaged photographic archives

 Introduction

 1 Description of materials received

 2 Details of Operations

 3 Recruiting volunteers

 4 Photographing materials in the state received

 5 Stabilization treatments

 6 Digitalization

 Conclusion

Chapter 2 Saving Disaster-Affected Photographs A Primary Response Manual

 1 Items to Prepare

 2 Processes Common to All Media

 3 Print Photographs 

 4 Contact Prints / Negative Sheets

 5 Reversal Film (Slides)

 6 Glass Plates

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『被災写真救済の手引き 津波・洪水などで水損した写真への対応マニュアル』

著者: RD3プロジェクト

企画: ㈱ミュージアムメディア研究所

翻訳: ケンドル・ハフハインズ

英文校正: アリス・ゴーデンカー

発行日: 2016330

発売日: 2016520

発行所: ㈱国書刊行会

http://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336059260/

判型: A5判、160ページ

定価: 1,404円(本体価格1,300円)

 

(文責 秋田)

 

 

 

 

| | コメント(0) | トラックバック(0)

20160524.jpg

 

国立公文書館は、歴史公文書等の移管について、法的根拠や移管基準、移管された特定歴史公文書等の利用方法を取りまとめた「公文書移管関係資料集」(pdf6.15MB)をサイトに掲載しました。A4247ページです。

 

お知らせ 「公文書移管関係資料集」(平成285月発行)を作成:

http://www.archives.go.jp/news/20160524.html

(文責 秋田)

 

 

 

 

 

| | コメント(0) | トラックバック(0)

  indexa160517.jpg

 

書籍や紙資料、紙作品の保存修復を業務にしている㈱Conservation for Identity

(埼玉県さいたま市)が「少量脱酸の技術(1)」をブログにアップしています。

 

1980年代に金谷博雄氏(日本で最初に酸性紙問題を提起)や木部徹氏(現資料

保存器材代表)、岡本幸治氏(製本家)、鈴木英治氏(現Conservation for

Identity代表)、久芳正和氏(当時国会図書館)らが紙資料などの保存修復について

研究し、『コデックス通信』を発行していました。同通信に投稿され

ていた「少量脱酸の技術(1)~(3)」について再掲をしています。

初回は「少量脱酸の技術(1)」です。

 

Conservation for Identityブログ:

http://www.cfid.co.jp/2016/05/17/deacidification1/

(文責 秋田)

 

 

 

 

| | コメント(0) | トラックバック(0)

index_j160502.jpg

 

東京文化財研究所は、下記の報告書をウェブサイトに掲載しました。

 

「ネパールにおける文化遺産被災状況調査事業成果概要報告書」(pdf 25.1MB)

http://www.tobunken.go.jp/japanese/publication/index03.html#1-8-5-12

「ミャンマーにおける文化遺産保護に関する拠点交流事業報告書」(pdf32.4MB):

http://www.tobunken.go.jp/japanese/publication/index03.html#1-8-5-9

(文責 秋田)

 

 

 

 

| | コメント(0) | トラックバック(0)
株式会社TTトレーディング
デジタルもんじょ箱トップへ

最近のトラックバック

過去の記事