文献: 2011年4月アーカイブ

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東京文化財研究所(東京都台東区)は、所属研究員による文化財の保存と修復にかかわる科学的調査、受託研究報告、修復処置概要などをまとめた「保存科学」第50号(平成22年)をサイトに掲載しました。(文責 神谷)

 

「保存科学」第50号:

http://www.tobunken.go.jp/~hozon/pdf/50/MOKUZI50.html

 

内容は以下の通り。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「保存科学」50号出版のご挨拶

亀井伸雄

〔報文〕

収蔵庫内の温湿度環境とスチール棚の表面温度

犬塚将英・多比羅菜美子・佐野千絵

動的解析による高松塚古墳の損傷要因の検討

三村衛・長屋淳一・石崎武志

闘鶏山古墳の石槨内部発掘調査時の空調制御方法に関する研究 

小椋大輔・鉾井修一・高橋公一・木村奈津子

Simulation Analysis on the Drying Process of Tuff Breccia Stone Composing the stone Chamber of Takamatsuzuka Tumulus

Rudolf PLAGGE, Takeshi ISHIZAKI and Masahide INUZUKA

日本における覆屋の歴史について 

朽津信明

諸外国における文化財の把握と輸出規制の概要

今井健一朗・二神葉子

 

〔報告〕

壁画断片とマウントの接着方法と接着強度の検討 

藤澤明・島津美子・佐藤由季・松岡秋子

三軸織物・紙貼合シートの特性-紙本絹本文化財の裏打を想定して- 

加藤雅人・君嶋隆幸・酒井良次・川野邊渉

内装材料の異なる収蔵庫の空気環境の比較 

呂俊民・佐野千絵・加藤和歳

亜寒帯湿潤大陸性気候における資料保存環境調査-不着菌・空中浮遊菌のサンプリングを中心として- 

吉川也志保・佐野千絵・石崎武志

栃木県日光山内・中宮祠・中禅寺の歴史的建造物を対象とした捕虫テープによる広域虫害調査について 

原田正彦・野村牧人・木川りか・小峰幸夫・林美木子・川野邊渉・石崎武志

日光の歴史的建造物において捕虫テープ(ハエ取り紙)に捕獲された甲虫の集計方法と調査結果

林美木子・小峰幸夫・木川りか・原田正彦・川野邊渉・石崎武志

日光の歴史的建造物で確認されたシバンムシ類の種類と生態について 

小峰幸夫・林美木子・木川りか・原田正彦・三浦定俊・川野邊渉・石崎武志

日光の歴史的建造物を加害するシバンムシ類の殺虫処理方法の検討 

木川りか・小峰幸夫・鳥越俊行・原田正彦・今津節生・本田光子・三浦定俊・川野邊渉・石崎武志

厳島神社大鳥居の生物劣化調査

藤井義久・藤原裕子・木川りか・原島誠・喜友名朝彦・杉山純多・早川典子・川野邊渉

東本願寺阿弥陀堂の生物劣化調査 

藤井義久・藤原裕子・須田達・鈴木佳之・喜友名朝彦・杉山純多・小峰幸夫・木川りか・川野邊渉

ガンマ線を用いた木製円柱の内部劣化の検出

藤井義久・藤原裕子・木川りか・川野邊渉・永石憲道・中嶋啓二

キトラ古墳の微生物調査報告(2010

木川りか・佐野千絵・喜友名朝彦・立里臨・杉山純多・早川典子・川野邊渉

ルーマニアにおける板絵の伝統的予防処理方法とその効果

林美木子・ニコラ マッキオーニ・ピエロティアノ・吉田直人・佐野千絵・イオン サンヅ

可視反射スペクトルと二次微分スペクトルによる青色色材の判別に関する検討

吉田直人

ポータブル蛍光X線分析装置による沖縄県所在ガラス製品の現地調査

早川泰弘

鷹島海底遺跡出土の元寇関連漆製品に関する調査

北野信彦・本多貴之・松尾昭子・高妻洋成

展示公開施設の館内環境調査報告-平成21年度- 吉田直人・佐野千絵・石崎武志

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わが国の公文書管理は欧米先進国のみならず近隣のアジア諸国と比べても後れているというのが著者の持論です。松岡氏は、社会保険庁の年金記録問題や国立公文書館の職員数などを例に出して、日本の公文書管理の現状を訴えています。

一方、201141日に公文書管理法が施行されました。新しい法律で、後れをとっていた公文書の管理がどのように変わるか、課題や今後の展望が述べられています。

アーカイブズ(記録資料)は公文書に限らず大学や企業、個人資料など広範に及んでいます。文書だけでなく画像や音声、映像など多様です。近年ではデジタル媒体も増え続けています。

 

「良いこと悪いことを含めて記録を残すということは大変勇気のいることである。しかし、近代の入り口に立ちかえり改めて「公共」と向き合わない限り、この国はいつまでも漂流を続けるしかないのではないだろうか。その意味で、日本は大変革期にあるとも言えるのである」(あとがきより)

 

主な内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まえがき

第1章      後れた国ニッポン

第2章      アーカイブズの宇宙

1耳目集めた「天草アーカイブズ」

2「エル・ライブラリー」の挑戦

3日本文化の源流をさぐる「仏教資料文庫」

4外邦図の世界

5北海道開拓と囚人

6東京電力「電気の史料館」

7世界有数のデジタル・アーカイブズ「アジア歴史資料センター」

8山口銀行「やまぎん史料館」

9逆境に立ち向かう「日航アーカイブズセンター」

第3章      資料保存の危機

第4章      公文書管理法で何が変わるか

1成立までの経緯

2公文書管理法とは何か

3その課題

第5章      社会に欠かせぬアーカイブズ

第6章      課題と展望

1いかに多様な記録資料を保存するか

2「MLA連携」

3著作権問題

4人財育成

5アーカイブズを支える市民の力

あとがき

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『アーカイブズが社会を変える 公文書管理法と情報革命』 

松岡資明(まつおかただあき)著

ISBN978-4-582-85580-7 NDC分類番号 360

2011415日発行 

新書判、224

平凡社新書

http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/browse.cgi?code=85_580

定価740円(税別)

 

既刊 『日本の公文書 開かれたアーカイブズが社会システムを支える』 松岡資明著 ポット出版

http://www.tokushu-papertrade.jp/digimon/mon-blog/2010/01/post-72.html

 

 

 

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東京大学大学院の製紙科学研究室(江前敏晴准教授ほか)は、駿河台大学の坂本 勇氏と共同研究をし、水害被災した紙文化財の塩水を用いた緊急保存法を開発しました。201171日に開催の紙パルプ技術協会の第78回紙パルプ研究発表会で内容を公表する予定でしたが、製紙科学研究室では事前にウェブサイトにアップしました。東日本大震災による紙資料の救出に緊急性があるため、紙パルプ技術協会の許可を得て掲載したそうです。

 

2004年に発生したインドネシアのスマトラ沖地震の大津波によって被災した土地台帳にカビがほとんど発生していなかった、という坂本 勇氏の報告をきっかけにして開発されたものです。

実験結果では塩濃度3.5%以上の塩水に紙を浸けると時間が経過しても菌の繁殖が抑えられることがわかりました。残存塩による紙の劣化については今後の研究課題ですが、今回の東日本大地震は被災の規模が非常に大きいため、従来の真空凍結乾燥法などでは量的に間に合わないことが見込まれるため、さらなる研究が期待されています。(文責 神谷)

 

江前敏晴のホームページ:

http://psl.fp.a.u-tokyo.ac.jp/hp/enomae/

「水害被災した紙文化財の塩水を用いた緊急保存法の開発」(pdf 572KB):

http://psl.fp.a.u-tokyo.ac.jp/hp/enomae/publish/pdf/First-Aid_for_Paperby_Using_Salt_Water.pdf

 

 

 

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本書は、2009726日に開催された全史料協近畿部会の定例研究会100回記念の公開シンポジウムの記録です。直前の624日に公文書管理法が国会で成立しました。このタイミングに合わせて開催されたシンポジウムです。

 

国立公文書館の高山館長は、国立公文書館の新体制や日本の公文書館の現状、諸外国の公文書館との比較と公文書管理法成立までの経緯をわかりやすく述べています。高山館長と井口館長(京都府立総合資料館)の対談では、法律制定の重要性や国と地方の関係、近畿地方の現状などが話し合われました。対談の中で、前鳥取県知事の片山善博氏(現総務大臣)の話が紹介されています。公文書館管理は、公務員の生活習慣病対策であるということです。行政の現場では、できるだけ公文書を作らないでおこう、作った文書は可能なら公的に皆がみられるようなところへ置かないで、墓場へ持っていきたいという意識があるといいます。このような生活習慣が身の中まで染み込んでいるため、改めねばならないと言っています。

 

近江八幡市地域文化課の烏野茂治氏は「全史料協近畿部会の歩み」で17年間の近畿部会の歴史を話しました。最後はパネルディスカッションで、会場からの質問に応える形で、国立公文書館が地方に対してできることやデジタルアーカイブズの推進、地域を知るためのアーカイブズの役割等々が話し合われました。

 

主な内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

講演 時を貫く記録の保存-日本の公文書館と公文書管理法制- 高山正也(国立公文書館長)

対談 国立公文書館と自治体公文書館-公文書館と地域史料- 高山正也・井口和起(京都府立総合資料館長)

報告 全史料協近畿部会の歩み 烏野茂治

パネルディスカッション 高山・井口・烏野 司会:藤吉圭二・福島幸宏

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『時を貫く記録の保存-日本の公文書館と公文書管理法-』

岩田書院ブックレット アーカイブズ系A16

全史料協近畿部会編

 

発行:岩田書院

20113月刊 初版

A5判・92頁・並製本

ISBN978-4-87294-679-6 C1321

1400 (税別)

http://www.iwata-shoin.co.jp/

 

(追記)岩田書院は2011年の学会・研究会の売り上げの10%を被災史料保全への支援募金にすることを表明しています。

http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net/34357955.html

 

(文責 神谷)

 

 

 

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著者は、京都造形芸術大学 芸術学部 美術工芸学科の教授です。

本書は、膠(にかわ)や合成樹脂、体質顔料、溶剤など近年失われつつある画材を中心に取り上げています。たとえば膠の場合、種類と違いや溶液の作り方、加工膠や膠をベースにした各種製品、製造会社などを紹介。後半では、絵画修復用品や額縁制作、キャンバスほか画材製造現場を取材しています。雑誌「美術の窓」に連載されていた「絵画素材の科学」を書籍化したもので、豊富なカラー写真と解説があり、絵画入門者やプロ作家向けのわかりやすい内容の本となっています。

 

主な内容は、

第1章     

第2章      合成樹脂

第3章      体質顔料

第4章      溶剤・助剤

第5章      美術品・絵画の修復用品・機材

第6章      額縁制作

第7章      キャンバスができるまで

第8章      素材の生まれる現場~メーカー&商品紹介~

 

『絵画素材の科学 よくわかる今の絵画材料』 

著者: 青木芳昭

発行: 株式会社生活の友社

http://www.tomosha.com/mado/6193

発行日: 201141

判型: 182X257mm、207

定価: 4,571円(税別)

(文責 神谷)

 

 

 

 

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