新着文献 『アーカイブとは何か 石板からデジタル文書まで、イタリアの文書管理』マリア・バルバラ・ベルティーニ著、湯上良訳

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原書は、国立ヴェネツィア文書館併設のアーキビスト養成のための学校の教材としても用いられているアーカイブズ入門書で、2008年に出版されました。本書はこれを邦訳したものです。

 

主な内容は、アーカイブの概念からイタリアのアーカイブ行政や文書館の紹介、アーカイブの成立と運営上の注意点、文書館の活動内容やデジタル化への取り組み、などです。各章には要約が載っており読者の理解を助けています。

 

サブタイトルの「石板」にもある通りイタリアのアーカイブの歴史は古いですが、アーカイブズ法が成立したのは1963年。国立の文書館は全国の県庁所在地に設置されており、その他都市の文書館が下部組織として存在しています。100館ある国立文書館のうち17館にはアーキビスト養成の学校が設けられていますが、現在ではアーキビストの人員過剰が問題になっており、新規採用はほとんどないとのことです。

 

近年のデジタル化についても述べており、情報化におけるアーカイブズは発展途上にあり、さまざまな課題も挙げています。

「デリケートなこの段階ではまだ、アーキビストは記憶の番人として信頼性を得ている。真の伝統を携え、それを放棄せずに時代とともに歩みをすすめ、情報処理技術者と法曹関係者との対話を進めるのであれば、デジタル・アーカイブズの未来への橋渡し役として成功するであろう。」(第五章要約より抜粋)

 

著者 マリア・バルバラ・ベルティーニ氏は、国立ミラノ文書館館長および付属古文書学校の校長。訳者の湯上良(ユガミ リョウ)氏は、東京外国語大学トルコ語科卒、(株)日本電気勤務の後、2002年度よりヴェネツィア大学史学科に入学、現在はScuola dottorale del Veneto奨学金給付生です。

(文責 神谷)

 

『アーカイブとは何か 石板からデジタル文書まで、イタリアの文書管理

著者: マリア・バルバラ・ベルティーニ

訳者: 湯上良

発行日: 2012113

発行: 法政大学出版局

判型: 四六判、186

定価: 2,800円(税別)

ISBN978-4-588-35006-1 C1022

http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-35006-1.html

 

内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第一章 アーカイブという概念

1 記憶の保存

2 アーカイブの定義

3 アーカイブの特徴

4 アーカイブズの法的要件

5 書類のライフサイクル

要約

 

第二章 イタリアのアーカイブ行政・組織

1 多種のアーカイブズ

2 イタリアのアーカイブ行政

3 教会関連アーカイブズ

4 ヨーロッパ連合のアーカイブズ

5 いわゆる「新史料」について

要約

 

第三章 アーカイブの運営

1 アーカイブの形成

2 非現用文書と長期保存選別

3 史資料

要約

 

第四章 運用

1アーカイブすなわち長期保存用スペース

2 閲覧と閲覧許可

3 専門意見―アーキビストの役割と教育

4 価値評価

要約

 

第五章 情報化とアーカイブズ

1 はじめに

2 国際情勢

3 ヨーロッパの情勢

4 イタリアの状況

5 問題点と展望

要約

 

付録

1 「アーキビストの倫理に関する国際規定」

2 2003630日暫定措置令第196

訳者あとがき

関連法規

参考文献

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