2004年の台風24号による水損史料の救助記録
近年、地球温暖化などが原因とされる台風による大規模な風水害が多くなってきています。本書は、04年の台風24号による文書資料の水損被害からの救助記録です。同年は、豪雨・台風・高潮などによる被害が多発した年でした。1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに組織化された団体「史料ネット(歴史資料ネットワーク)」*は、水害史料のレスキューに取り組みました。
内容の前半は、兵庫県内と京都府内での資料保全、修復活動の報告とこれをもとにしたボランティアリーダーに対する講習会「水損史料ワークショップ」の記録です。後半は、風水害への事前対応や防災体制について考える「風水害から歴史資料を守る」シンポジウム(2005年)の記録が中心になっています。巻末には、被災史料調査活動用マニュアルや水損史料の応急処置のための乾燥作業マニュアルなどの参考資料付き。
ボランティア活動の限界を感じながらも手探りで史料救出をした記録集です。(文責 神谷)
『水損史料を救う-風水害からの資料保全-』
松下正和・河野未央編
2009.5、A5判 定価 1,600円(税別)
初版1,500部
岩田書院 : http://www.iwata-shoin.co.jp/
主要目次(岩田書院ウェブサイトより)
歴史資料ネットワークによる新たな災害対応 ―水損史料保全活動の取組― 松下・河野
第Ⅰ部 風水害で被災した歴史資料の救出活動をめぐって ―活動とその後の展開―
第1章 兵庫県内 2004年台風23号被災歴史資料保全および修復活動 河野未央
第2章 京都府内 2004年台風23号被災歴史資料保全活動 松下正和・木村修二
第3章 水損史料修復ワークショップ 河野未央・松下正和
第4章 史料ネットにおける「ボランティア」再考 加藤宏文
第Ⅱ部 シンポジウム記録「風水害から歴史資料を守る」
福井史料ネットワークの活動 多仁照廣
台風23号による被災資料調査・レスキュー活動 木村修二
台風23号による水損資料の修復 河野未央
コメント 前田喜一・小寺誠・加藤晃・吉岡博之
討 論
水損史料保全活動をめぐる現状と課題 松下正和
参考資料
(被災自治体文化財担当部局へのFAX/ボランティアセンター宛FAX/被災史料調査活動用マニュアル/被災地での配布チラシひな形/史料レスキュー時にとりかわす史料借用文書/県への水損史料乾燥機関斡旋依頼状/水損史料乾燥作業マニュアル)
*歴史資料ネットワーク: http://www.lit.kobe-u.ac.jp/~macchan/



