燻蒸残留薬剤の効果的な除去方法は

『燻蒸残留薬剤の効果的除去について』博物館学雑誌 第34巻 第1号(2008.12)より

群馬県立自然史博物館 野村正弘、松本 功、高橋克之、大森威宏共著

 

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文化財の燻蒸剤「臭化メチル」は、オゾン層破壊物質ということで1999年以降、段階的に削減され2005年から使用禁止となりました。代替ガスがいくつか提案されていますが、燻蒸後の残留ガス除去が課題となっていました。燻蒸後の収蔵庫の空間濃度が一旦下がっても、箱やキャビネットなどからガスの滲(にじ)み出しがあり、庫内のガス濃度が上がってしまうからです。

 

 

 

 

 

群馬県立自然史博物館では、ヨウ化メチルガスによる燻蒸処理後の残留ガスを除去するために、「活性炭を不織布でサンドしたマット」による試験をしました。その結果、2週間程度で残留ガスを吸着できることが確認できました。さらに、「薄紙に活性炭をはさんだシート」**でも実験をし、吸着効果を確かめるとともに、ガスを放出しないこともわかりました。

 

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剥製に活性炭シートを掛けた写真

 

温暖多湿なわが国では、限定的に燻蒸をしなければならない場面があります。動物の剥製などを収蔵している自然史系の博物館では、コレクションを虫菌害から護るために燻蒸が不可欠です。一方、薬剤が人体や環境に与える影響も考慮しなければなりません。報文では、「適薬・適量・適時」が大切と説いています。

 

付録には「燻蒸安全チェックリスト」が付いています。「今年度は本当に燻蒸が必要ですか」に始まって、業者決定までに準備することや施工中、作業終了後と最終確認までに注意しなければならない事柄が60項目以上挙げてあります。リストの文末には、どのような業者に発注するのが良いのか、施工中の職員が立会う場合の心構えなど的確なアドバイスも書き添えられています。(文責 神谷)

 

*野村氏は現在、駿河台大学文化情報学部に所属。

**「薄紙に活性炭をはさんだシート」は、弊社製品 GTシートです。

 

群馬県立自然史博物館 :

http://www.gmnh.pref.gunma.jp/view/servlet/MuseumTop

 

『博物館学雑誌』(年2回発行、3,000円、全日本博物館学会) :

http://www.museology.jp/zasshi.html

 

 

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