第2回JHKシンポジウムは、江戸東京博物館で10月29日(水)に開催。
図書館・アーカイブズにプリザベーション・マネジメントを着地させるには
―調査と計画、そして実行」のケース・スタディ―

写真は、昨年のシンポジウムと併催された企業展示の様子です。
前回(昨年10月)は、「なにを、なぜ、どのように保存するのか」を標語に、中・長期的、体系的な資料保存計画の構築について6名の講師の方にお話しいただきました。図書館の酸性紙による蔵書の劣化問題以後、我が国の資料保存は、技術論に偏って進められてきたのではないか、との反省に基づき、「プリザベーション・マネジメント」についてを講演いただきました。テーマは好評を得て、定員300名を大幅に超え、380名の参加者がありました。
今回は、このような考え方を、資料保存の現場でどのように根付かせるかという実践的な内容のシンポジウムで、5本の発表があります。一本目は、海外から、カリフォルニア大学バークレー校図書館・保存部長のバークレー・オグデン氏を迎え、資料保存のマネジメントについて講演いただきます。
二本目以降は、国内からで、国立国会図書館が実施した(1950年~90年までに刊行された)和図書の劣化調査の報告です。国会図書館では、利用頻度の高い図書資料を、閲覧や複写など日常の利用に耐えうるか、という視点で、本文用紙のpHだけでなく、物理的強度や変色度合、製本構造まで調べました。
三本目は、東京大学経済学部図書館から、山一證券資料の整理と公開についてお話しいただきます。同図書館が所蔵する企業資料としては最大規模で、巨大証券会社の創業から破綻にいたるまでの膨大な資料を整理・公開中です。
四本目は、(財)元興寺文化財研究所から、資料の状態調査と活用について講演いただきます。単に調査で終わるのではなく、結果を活用できる体制についてお話いただきます。
最後は、「小規模な図書館の資料保存」と題して、(財)石川文化事業財団 お茶の水図書館からの報告です。同館は昨年、年史『お茶の水図書館の60年』(A4判、121p、2007年12月1日発行)を刊行しました。この中で、「過去から未来へ繋ぐ"利用のための資料保存"」と題して、資料保存の基礎技術の導入と実践について詳しく述べています。
■シンポジウム講演者とタイトル
・Barclay Ogden カリフォルニア大学バークレー校図書館・保存部長
「資料保存のマネジメント ―ニーズ・アセスメントとリスク管理に基づく―」
・村本聡子 国立国会図書館 資料保存課 保存企画係
「国立国会図書館所蔵資料の劣化に関する調査」
-1950~1990年刊行の和図書について―
・伊藤正直 東京大学大学院経済学研究科 経済学部教授
・矢野正隆 東京大学経済学部 資料室 特任研究員
「山一證券資料の整理と公開」
・金山正子 財団法人 元興寺文化財研究所 記録資料調査修復室
「アーカイブズの資料保存― 状態調査とその活用」
・佐藤祐一 財団法人 石川文化事業財団 お茶の水図書館
「小規模な図書館の資料保存 ― これまでの20年、これからの10年」
講演の合間には、20社が出展するJHK会員企業の展示会と関連書籍の販売も行われます。
(神谷)
お申し込み・詳細はJHKホームページで : http://www.e-jhk.com/

