大量脱酸技術"ブックキーパー法"が国内で稼働

(株)プリザベーション・テクノロジーズ・ジャパン(社長 岡田曠吉)は20074月に設立され、「ブックキーパー法(BK法)」という大量脱酸システムを20083月に稼働しました。本社工場は埼玉県さいたま市にあり、建坪100坪弱(写真12)で、スタッフは4名です。

国内では1998年に日本ファイリング(株)が開発した、乾式アンモニアと酸化エチレンによる「DAE法」に次いで二例目になります。DAE法は、ガスによる脱酸法では世界初の本格導入例です。

 

ptj1-2.jpg■ブックキーパー法とは

脱酸技術は、「水性処理」と水以外の液体や固体を使う「非水性処理」、「ガス処理」の三つに分けられます。BK法は「非水性脱酸処理」の一種で、酸化マグネシウムの微粒子を分散させたフルオロ・カーボンの処理液に紙資料を浸して中和させる方法です。

 

紙や色材の変色がない、インクやスタンプ印がにじまない、毒性や臭いがなく、人体にも無害などの特徴があります。紙のpHを89.5に上昇させ、アルカリ残留により紙の寿命を35倍に延ばすことが期待できます。

 

BK法は、プリザベーション・テクノロジーズ、L.P.社(米国 ペンシルバニア)で1992年に初めて稼働し、2001年に米国議会図書館が正式承認した技術です。以後カナダやオランダ、ポーランドやスペインにも工場が設置されています。

 

 

 

 

 

  ■処理工程は

 

工場では、専用のプラスチックコンテナ(写真3)により搬入された資料を点検・登録し、以後返却までの工程はバーコードで管理。必要であれば、事前に資料の脆弱な部分の補強や簡易補修も行います。

 

脱酸方式は三つあり、資料の形状や状態に合わせて適用しています。

一つは、「垂直型トリーター」と呼ばれるもので、1224冊の図書を約30分かけて中和処理し、一日に200冊程度の処理が可能です。(写真45) 

一方、薄い資料などは、専用カセットホルダーに入れ、「水平型トリーター」を使います。(写真67) 約90分の乾燥後、仕上・点検します。

大型のものや脆弱な資料はハンドスプレーを使い中和します。

資料には、テストペーパーを挿入し、処理後のpHやアルカリ残留も確認。

預かった資料は、終了後に年月日を記した証明シールを貼付しユーザーに返却されます。

  

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「処理費用は、輸送費・消費税別で一冊2,3002,550円です。補修処置には、一冊2,0008,000円かかります。3月の稼働後、約5,000冊の資料を処理しました」(横島文夫専務)

■その他

 

同社では、少量脱酸用にハンド・スプレー・システムや脱酸液を販売しています。温湿度調査や害虫モニター、汚染ガス測定なども業務にしており、よりよい保存環境へのアドバイスも行っています。(神谷)

 

プリザベーション・テクノロジーズ、L.P.(英語) : http://www.ptlp.com/

プリザベーション・テクノロジーズ・ジャパン(日本語) : http://preservationtechnologies.jp/overview-jp.html

 

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