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HOMEデジタルもんじょ箱保存対策事例>虎屋文庫 古文書類の保存と企業アーカイブズとしての役割

保存対策事例

保存対策事例 第1回(2008.04.01) ▲保存対策事例トップへ
虎屋文庫 2/3 古文書類の保存・補修

虎屋文庫の資料保存

虎屋文庫の資料保存対策は、約20年前から虎屋黒川家文書をはじめとする江戸時代の資料から始まりました。では、実際にどのように保存されているのでしょうか。

古典籍の保存方法

1.古典籍 2.中性紙の薄葉紙で包む
3.資料名を書いた紙を挟む 4.中性紙帙で包む


古文書類の保存方法

状もの 簿冊
1.三ツ折りタトウに挟む 2.封筒に入れる

*三ツ折りのタトウは出し入れで資料を傷つけないために使用。
古文書は、中性紙保存箱に入れ保管。

  これらの作業は全て職員の手作業で行いました。古典籍約3000冊は1週間に半日、3年間かけました。古文書類約800点は、半年ほどでした。別途、古典籍は冊子目録を使っていますが、現在新たにカード目録を作成し、エクセルデータを入力中です。古文書類はエクセルデータで管理しています。

さらに資料を保管する収蔵環境についてたずねました。
  保存箱を4段に重ね、スチール製のスライダックス(ふた付きの引き出し)に入れます。収蔵庫には、空調は入れていません。温湿度のデータはとっており、湿度が高すぎる場合は除湿機を稼動させます。なお、京都に新収蔵庫の建設を予定しています。

資料を保護紙や保存用品などを用いて二重三重に包むことで、外気の変化から資料をまもっています。

■虎屋文庫・資料保存のポイント
資料を中性紙の薄葉紙で包み、保護紙でできた紙帙や封筒に入れる。さらに中性紙の保存箱に入れ、水平に保管する。

なお、資料を群として保管するため、保存箱のサイズにあわないものは、「別置」とし、資料名を書いたシートを挿入する

虎屋文庫の資料修復とレプリカ作成

虎屋文庫では、10年ほど前から、資料価値と劣化状態により、優先順位を決め、修復しています。美術品は専門家に判断してもらうそうです。
原状保存を重視し、全面的に裏打ちはせず、部分的に補修します。
保存状態が良かったため虫損は少なく、京都の店での火災の影響とネズミの害が多少ある程度です。ただ、長い期間を経る間に、いつ施された修復かわからないものがあり、あまり状態がよくないので、どのようにしたら良いかが課題です。

また、取材などの撮影や他の機関への貸し出しに備え、利用頻度の高い資料は10年ほど前からレプリカの作成を始めました。現在、作成済みのものは13点で、こちらも継続的に行う予定です。

保存・修復について今後の課題をたずねました。
現在行っている保存や補修ついては、本当にこれでいいのかと気にかけています。特に修復については、全面的に裏打ちするのが良いのかどうか。資料にとって最善の方法を心がけ、常に最新情報を集めることが必要だと考えています。

(3へつづく)

▲虫損を部分的に補修。


▲太平洋戦争中に海軍へ納めた羊羹の レプリカ。1点だけ現存したもの。


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